症例 【歯ぎしり】

症例 【歯ぎしり】
N・Y様: 女性 29歳  職業:専業主婦
問診 毎朝、寝ている間に歯ぎしりをしているため、ご主人から歯ぎしりがひどいと言われる。昔はマウスピースをしていたため多少良くなったが、最近は効果が薄れてきたため付けていない。とくにストレスなどを溜めこんでいる訳ではないが、眠りが浅いように感じ夢を良くみる。 疲れが溜まってくると頭痛や肩こり、首のこりがでてくることがある。日常ではあまり感じない。
検査 口の開閉検査・・・左から右に噛んでいるため、顎が右に多少ずれている。顎関節症ではないので痛みなどは見受けられない。 筋肉の固さ・・・・・・全体的に緊張性の張りがあり、特に首、肩、肩甲骨周囲の筋肉はゆるみがないくらい緊張している。腰も同じように張りが出ているが今のところ痛みは でていない。顎の筋肉の咀嚼筋(そしゃくきん)は左の固さが目立ち、歯ぎしりしている時も左奥歯で噛んでいると考えあれる。 骨盤・姿勢検査・・骨盤は右上がりのため、左足重心。反り腰などは問題ないが、左脚が前に出てしまうねじれが見受けられる。
カルテより <初回>歯ぎしり改善のための施術方針をご説明し、以下の調整法で早期完全を目指す。 筋肉の調整(トリガーポイント含)・・・・顎の筋肉周囲を入念に緩め、特に咀嚼筋、胸鎖乳突筋、といった歯ぎしりを起こした時にもっとも負担のかかる筋肉を緩める。 顎・頭蓋骨・全身のバランス調整・・・・顎の関節の歪みを調整することでかみ合わせをよくする。頭蓋骨は合計22個の骨で出来ています。そのバランスを正常に戻すことにより、筋肉や関節に負担が掛からないようにしていきます。小顔などにも効果があります。 自律神経・不眠調整・・・・・歯ぎしりの原因として良質は睡眠が取れていないケースがあります。考え事や、環境の変化、ストレス、不安や怒り、などがあると自律神経のバランスをみだし、結果眠りが浅くなったり、夢を良く覚えていたりすることがあります。その為不眠症及び自律神経のバランスを整える調整を行う。 骨盤・姿勢矯正・・・・・歯ぎしりは普段起きている時でも起こります。寝ている時程長く、強い歯ぎしりではありませんが、無意識の間に肩に力が入っていたりすることが良くあります。これはその人のクセだったりしますので、脱力を意識付ける訓練が必要になります。また、猫背によって、首や顎、頭全体の筋肉を緊張させてしまうので、骨盤矯正・姿勢矯正を行う事により、足元の重心バランスや頸椎の負担を減らし、体がよりリラックスできる状態に改善していきます。 <二回~三回目> 初回から3回目までは変化がない様子。上記の内容で歯ぎしりの施術を行う。 エクササイズ指導・・・・正しい姿勢のエクササイズに加え、顎のセルフケアをアドバイスする。 <四回目> 御主人さんから歯ぎしりしていないと言われる。本日で集中治療期間も終わり一週間間隔をあけて様子をみていただく。 <五回目> 一週間たっても歯ぎしりしていないと報告を受ける。
コメント 歯切りは主に「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」の3種類があります。 「グラインディング」は上下の歯を擦り合わせ、ギリギリと音を鳴らします。歯ぎしりの中でよく見られるタイプです。 「クレンチング」は、上下の歯を強く噛みしめ、音を出さないのが特徴になります。 「タッピング」は、歯を打ち鳴らすタイプの歯ぎしりで、あまり見られません。 Nさんのケースは「グラインディング」にあたります。歯ぎしりは寝ている時に起こるので、なかなか自分では確認しにくいものです。朝起きて顎が痛かったり、だるさがあるようなら歯ぎしりをおこしている可能性があります。歯ぎしりは思いのほか強いパワーなので、歯が欠けてしまったり、顎関節症の原因となったり、旅先などで迷惑をかけてしまうのではないか、という心配から好きな旅行を控えてしまうこともあります。 そのようにならない為にも早めの処置をおすすめ致します。 東